メダカの病気


メダカも人間と同じように病気になります。
どんな病気になるのかを簡単な処方も交えて書いています。
メダカが病気になる原因のほとんどが、水質の悪化などの管理不足です。
飼い主のちょっとした怠けが、メダカを大変な目に合わせてしまうのです。
知識が不足していたためにメダカを病気にさせてしまったのなら、もっと勉強をして、万が一の時に備えておきたいものです。
何はともあれ、メダカが健康に生きていけるように、しっかりと管理をしてあげましょう。

白点病

白点病にかかったメダカの状態

  • 水面付近をおよぎ、元気もない。
  • 食欲がなくなる。
  • メダカの体やヒレに白い点が発生し、進行していくごとにその点は増えていく。
  • 体を砂などにこすりつける行為も見られる。

白点病の原因

  • 水温の低下や急激な水温変化、水質そのものの悪化により、メダカの体調が崩れ、白点虫(イクチオフチリウス)がメダカの体に穴を開けて、体液をエサとして増殖する。
  • 感染スピードが非常に速い。

白点病にかかったメダカの処置

  • 感染スピードが速いことから、感染したメダカをすぐに別の場所に隔離する。
  • 1日絶食させる。
  • 水温を28度から30度に上げると白点虫の幼虫は死滅する。ただし、成虫には効果がないので、成虫がメダカから離れるのを待つ意味も含めて、1週間以上続ける必要がある。
  • メチレンブルーを使用する場合も同様。
  • 白点の数が多い場合は、治療の見込みが無いので、かわいそうですが、隔離させたままにする。
  • 水槽や器具などもイソジン消毒をした方がよい。

白点病の予防

  • メダカが健康でいられるように水質を良好に保つ(適切な水替えを実施する)。
  • 新しく入手したメダカなども、水槽に入れる前に塩浴させるのも予防になる。

備考

  • タカの爪に含まれるカプサイシンの殺菌効果を利用した予防や治療方法もあるそうです。
  • この方法であれば、水草やメダカに副作用がないとのこと。

白雲病

白雲病にかかったメダカの状態

  • メダカが砂などに体をこすりつける。
  • 水面付近を泳ぎ、元気もなく、エサも食べなくなる。
  • 体表やヒレに白い雲のようなものができる。
  • 進行すると、メダカの体全体に雲が拡がる。

白雲病の原因

  • 気温(水温)の変化が大きい春先や秋口に水質が悪化している場合、コスティアやキロドネラがメダカに寄生することによって発症。

白雲病にかかったメダカの処置

  • 絶食させる。
  • 水槽の水は全て交換する。
  • 0.5%塩浴か、メチレンブルーにて薬浴させる。
  • 水槽や器具は、できればイソジンで消毒を行う。

白雲病の予防

  • 水質を良好に保つことが1番の予防。

イカリムシ

イカリムシにかかったメダカの状態

  • 飛び跳ねる。
  • 砂底や壁に体をこすりつける。
  • 体表に盛り上がり部分ができ、その周囲が出血している。
  • 糸のようなものがウロコの下から出ている。
  • 元気がなく、痩せ細ってきている。

イカリムシの原因

  • 生きエサやメダカ自身、水草、購入時に袋に入れてくれた水などからイカリムシが持ち込まれ、その幼虫がメダカに寄生し、メダカの血や体液を吸って成虫となることにより、メダカが衰弱していく。

イカリムシにかかったメダカの処置

  • イカリムシが少ない場合はピンセットなどで抜き取る。
  • 栄養をイカリムシに取られているので、十分にエサを与える。
  • さらに、0.5%塩浴させるか、リフィッシュにて薬浴させる。
  • 1度イカリムシが発生すると、根絶には時間がかかるので、できれば、水槽ごとリセットしてしまう方が良い。(水はもちろんのこと、砂やろ過フィルターも交換する。)
  • 器材はきれいに洗浄し、イソジンで消毒する。
  • イソジンが完全に乾くまで乾燥させ、その後、水洗いする。

イカリムシの予防

  • 購入時などに袋に入れてもらった水は水槽の中に入れない。
  • 水草なども水槽に入れる前に十分洗っておく。

備考

  • イカリは船のいかりの意。釣り針のように刺さると抜けにくいため。

吸虫病

吸虫病にかかったメダカの状態

  • 水面付近をおよぐ。
  • 食欲がなくなる。
  • 白雲病のように体が白雲状態になることもあるので、白雲病に似ている。
  • エラが黒っぽい赤色になり、異常な粘液の分泌が生じる。
  • 呼吸も回数が増える。
  • 体表に寄生した場合は、出血したりして体色があせる。

吸虫病の原因

  • 肉眼では判別できない小さなダクチロギルスやギロダクチルスという寄生虫がメダカのエラや体表に寄生し、メダカの体を食べてしまうことで発症。

吸虫病にかかったメダカの処置

  • トリクロルホンの散布が効果的であるが、共存しているエビなどに対しては毒性が強いのでお勧めできない。
  • したがって、まずはメダカを絶食させ、水を全て入れ替える。
  • 初期段階であれば、0.5%塩浴させる。
  • 症状が進んでいる場合はリフィッシュを使用して薬浴させる。
  • できれば、水槽や器具はイソジンで消毒する。

吸虫病の予防

  • メダカの体力が低下しないように適切な頻度で水替えを行い、十分に管理を行う。

綿かぶり病

綿かぶり病にかかったメダカの状態

  • 水面付近をおよぐ。
  • 食欲がなくなる。
  • 体やヒレに綿にようなものが付く。

綿かぶり病の原因

  • フィン・スプレッティングや網ですくった際に生じた傷からミズカビが寄生することによって発症。

綿かぶり病にかかったメダカの処置

  • 初期の段階であれば、メダカに付いた綿を手やピンセットで少し取り除く。
  • 塩浴させる。
  • メチレンブルーにて薬浴させる。

綿かぶり病の予防

  • メダカを扱う際に傷を付けないような配慮をする。
  • 適切な頻度で水替えを実施する。

備考

  • メダカを健康な状態に保っていれば、多少の傷がついても傷自身が早く直るのでかかりにくくなる。

尾ぐされ病

尾ぐされ病にかかったメダカの状態

  • 水面付近をおよぐ。
  • 元気がなく、食欲がなくなる。
  • 体や尾ヒレがただれ、進行すると肉が露出する。
  • 最後にはヒレがなくなってしまう。

尾ぐされ病の原因

  • 水質が悪化し、メダカの体調が下がっている際に、F・カラムナリス菌に感染することによる。

尾ぐされ病にかかったメダカの処置

  • 絶食させる。
  • F・カラムナリス菌は1%以上の食塩水中で繁殖不可能となるので、塩浴させる。
  • 発症したメダカは隔離する。
  • 肉が露出するまで進行している場合は処分するしかない。
  • 水温は上げずにグリーン・F・ゴールドにて薬浴させる。
  • できれば、水槽や器具はイソジンで消毒する。

尾ぐされ病の予防

  • 水質が悪化しないように適切な水替えなどを行う。
  • 適切な頻度で水替えを実施し、メダカの体調に気をつける。

トリコディナ症

トリコディナ症にかかったメダカの状態

  • 体表やヒレなどに斑点状の出血がみられる。
  • 体全体に白い膜ができる。
  • かゆがって体を砂などにこすりつける。
  • 元気がなくなり、エサも食べなくなる。
  • 進行するとウロコも取れ始め、ヒレもボロボロになる。

トリコディナ症の原因

  • 水質が悪化し、せん毛虫トリコディナがメダカに寄生することが原因。

トリコディナ症にかかったメダカの処置

  • 膜が取れる場合は、ピンセットなどでメダカに付いた膜を取る。
  • 1%程度の塩浴をさせるか、グリーン・Fなどで薬浴させる。
  • 水は取り替える。
  • 水槽や器具はイソジンで消毒する。

トリコディナ症の予防

  • 水質を良好に保つこと。

かぜ

かぜにかかったメダカの状態

  • メダカ全体が白っぽくなる。
  • 体を砂などにこすりつける。
  • エサも食べなくなり、元気がなくてじっとしている。

かぜの原因

  • 水温が急激に変化することによって、メダカの体表の粘膜が異常分泌することによる。

かぜにかかったメダカの処置

  • 水温を28度程度まで少しずつ昇温させる。
  • 絶食させる。
  • 0.5%塩浴も効果がある。
  • 水槽や器具の消毒は必要ない。

かぜの予防

  • 水替えは、水温の急激な変化に気をつけて行う。

がん

がんにかかったメダカの状態

  • 皮膚がんのように、体表に腫瘍のようなできものができる。
  • できものがなくなっても再発することが多い。
  • 2次疾病を併発しやすい。

がんの原因

  • ウイルス感染と言われている。

がんにかかったメダカの処置

  • 完治する治療法はないため、発病したメダカを隔離する。
  • 念のため、水替え、水槽や器具のイソジン消毒を行う。

がんの予防

  • メダカを健康な状態に保つこと。

Leave a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください