平成19年8月3日に、環境省において「哺乳類、汽水・淡水魚類、昆虫類、貝類、植物I及び植物IIのレッドリストの見直し」が行われました。
この見直しによって、メダカが分類されている「汽水・淡水魚類レッドリスト」は76種から144種に増えています。
また、メダカについては、今回、北日本集団と南日本集団に分割されました。いずれの種もこれまでと同様に「絶滅危惧II類」に分類されています。
環境省版レッドリストとは
日本に生息又は生育する野生生物について、絶滅のおそれのある種をリストにまとめたものです。下記に示す分類になっています(平成20年1月現在)。
- 動物
- 哺乳類
- 鳥類
- 爬虫類
- 両生類
- 汽水・淡水魚類
- 昆虫類
- 貝類
- その他無脊椎動物(クモ形類、甲殻類等)
- 植物
- 植物I(維管束植物)
- 植物II(維管束植物以外:蘚苔類、藻類、地衣類、菌類)
絶滅危惧Ⅱ類
1999年2月18日、環境庁によってレッドデータブックの「絶滅危惧Ⅱ類」にメダカが記載されました。
この「絶滅危惧Ⅱ類」には、哺乳類ではトド、鳥類ではオオワシ、両生類・爬虫類ではアオウミガメ、アカウミガメ、甲殻類ではニホンザリガニ、昆虫類ではタガメなどが記載されています。
メダカの他の汽水・淡水魚類では、ムツゴロウの名前もあげられています。
私たち人間が、便利さや住みやすさを高めていく過程で、環境に対してさまざまな悪影響を与えてきたことにより、いろいろな動植物たちが生存できなくなってきています。
メダカの場合、農薬や大気汚染による酸性雨、生活排水、工業排水による汚染をはじめとして、メダカの絶好の住みかであった田んぼも機械化、合理化が進み、メダカが住むことができなくなっています。
スポーツフィッシングを楽しみたいがために放流したブラックバスやブルーギルなどによる捕食での減少も著しいようです。
この「絶滅危惧Ⅱ類」への記載については、単に絶滅の危機にあるからメダカを増やそうということだけではなく、私たちがメダカが生存できる環境とは何か、その環境を取り戻すことはできないだろうか、と考えていくことが重要であることを意味していると私は思います。
不耕起栽培
メダカの学名は「オリジアス」。
稲を意味する言葉です。
それだけメダカと田んぼは密接に関係しています。
しかしながら、機械化、合理化によってメダカが田んぼに住めなくなっているのが現状です。
そんな折、不耕起栽培でメダカを田んぼに取り戻したという話があります。
不耕起栽培とは、田んぼを耕さないで苗を植え、米を作る方法のことを言います。
不耕起栽培を行うと、サヤミドロという藻が発生し、植物プランクトンが生まれ、これがメダカのえさになります。
農薬を使わない、環境にやさしい農法です。
この取り組みが徐々に全国に広がっています。
メダカと田んぼの関係。発泡スチロールの中でミニ田んぼを作り、不耕起栽培を行ってメダカを飼う。
全国のめだかの学校や小学校で行われることが多くなっています。